私を認識する私

― 構造的統合論 ―
「私」と世界が生まれる心の構造


私たちは日常の中で、怒りや不安、迷いといった感情に揺さぶられながら生きています。

人間関係の葛藤や思い通りにならない現実の中で、多くの人が「なぜ苦しみが生まれるのか」という問いを抱えてきました。

心理学や哲学はこれまで多くの視点から心を説明してきました。

しかし、人間の心の働きを一つの構造として一貫して捉えようとする視点は、これまでほとんど示されてきませんでした。

本書では、人間の感情や思考がどのように立ち上がっているのかを

「感覚」「認識」「意味づけ」「信念」「自我」という流れの中で読み解いていきます。

構造的統合論は、問題を解決するための方法を提示するものではありません。

むしろ、人間の心がどのような構造によって世界を経験しているのかを理解するための視点を提示するものです。

もし私たちの苦しみがどのような仕組みから生まれているのかを理解できるなら、

これまで当然だと思っていた出来事が、これまでとは違った形で見えてくるかもしれません。

本書では、人間の意識と認識の仕組みを存在のレベルからたどりながら、

「私」と世界がどのように立ち上がっているのかを一つの構造として描いていきます。


目次

序章

心の内側の構造

第一部 存在と認識の構造

第一章 認識の奇妙さ
第二章 絶対ゼロ
第三章 可能性
第四章 差
第五章 素材と偏り
第六章 現れ
第七章 意識
第八章 認識
第九章 自我
第十章 信念
第十一章 無意識
第十二章 認識と輪郭の成立

第二部 世界の見え方

第十三章 縁起
第十四章 縁起は因果ではない
第十五章 主体という位置
第十六章 私という感覚
第十七章 自由意志という体験

第三部 苦しみと統合

第十八章 ズレの発生源
第十九章 ざわつき
第二十章 関係という場で動いている構造
第二十一章 責任という立ち位置
第二十二章 統合とは何か

エピローグ

補章

補章 Ⅰ|教育との接続
補章 Ⅱ|宗教との接続
補章 Ⅲ|哲学との接続
補章 Ⅳ|心理学との接続
補章 Ⅴ|科学との接続
補章 Ⅵ|脳科学との接続
補章 Ⅶ|スピリチュアルとの接続
補章 Ⅷ|起源を問うことの限界


本書では、人間の心がどのような構造によって世界を経験しているのかを、存在と認識の視点から読み解いていきます。

感情や思考がどこから生まれ、どのように「私」という感覚が立ち上がっているのかを理解することで、これまで当然だと思っていた体験の見え方が少しずつ変わっていくかもしれません。

苦しみを無理に消すのではなく、その仕組みを構造として見つめること。

それが本書の中心にある視点です。

もし心の働きを構造として理解することができたとき、

私たちの人生の体験は、これまでとは違った意味を持ち始める可能性があります。